るりの創作部屋

創作のための格納庫

吉本ばなな『なんくるない』

 

吉本ばなななんくるない』 あらすじ

離婚の傷が癒えていない主人公。  

亡き母の夢を見たある日、

「海に行きたい」自分に気付く。

  

沖縄に滞在し、新しい出会いを経て、  

彼女は縛られない人生を切り開いていく。  

 

 

旅行描写のすばらしさ  

 

朝、目が覚めたらもう窓の外はかんかんで  

ぴかぴかの光にさらされていた。  

 

ああいいなあ、もう頭が真っ白だ、  

と私は思った。  

 

だいたい朝起きてすぐに、  

なにか考えることがあるなんて  

どうにかしている…   

 

少しずつ、都会の混みあった  

いろいろなことに用心して  

固くなっていた自分が無意識にしている、  

ふだんのおかしなくせがほどけていく。  

 

ふんだんな光の力、  

頭がばかになってしまう楽しい力だ。

 

 

南の海を舞台にしたばなな作品は、  

愛が温かく、ワクワクする。  

 

  

旅で洗練される内面、  

のびのびとした人間関係、  

生きる上で大切な信条。

  

 

特に人の豊かさは  

型通りの旅にはない魅力がある。  

 

  

 

物事は案外なんとかなる



ばななワールドを把握するには、 

『「違うこと」をしないこと』が 

欠かせない。 

 

 

andfour.hatenablog.com

 



人それぞれ、 

今は動く時期、 

今はじっとしてる時期 

というのがあると思う(略)。 

 

動いていい時期だとしたら、  

旅行したり仕事しても大丈夫だけど、 

じっとしてるべき時期にすごく動いちゃうと、 

やっぱり、少しずつズレていっちゃう。

 

 

何事もタイミングがあるのだろう。  

やりたいことをして、見えてきた流れに乗り、  

自然な自分を見つければいい。  

 

 

緊張を楽しんで、 

焦らずに時機を待つしかない。  

 

なんとかなる。 

物事は、それで大丈夫になっていく。 



なんくるない』で

人に合わせていた事に気付いた主人公が、

決まりから自由になっていく。

これぞばなな作品の真髄だ。

 

  

このメンタルが人生には大切  



もずくが熱く溶けていて、  

ゴーヤーの苦味が油っこさを  

消していて、  

ほんとうにおいしかったのだ。  

 

「冷めたらまずいから店には  

不向きなんだけど、  

おいしいでしょう?」  

トラは嬉しそうに笑った。  

 

「楽しいね、  

こうやっておいしいと思うのって。」  

私が言うと、トラはうなずいた。  

 

  

「つまんないことが  

たくさんたくさんあって、  

力がなくなるようなこととか、  

生きててもしかたないと  

思うようなことがたくさんある、  

 

TVを観ても、なにをしてても  

いつでもたくさん  

目や耳に入ってくる。  

 

だから面白いことをたくさんして、  

逃げ続けるんだ。  

逃げ続けるしかできない戦いなんだよ。  

 

僕のちっぽけな人生を  

誰にも渡さないんだ」  

 

 

 

ここが本当に最高。 

 

作中のもずくパスタを再現した人もいた。  

ameblo.jp

 

 

ユーモア溢れる感じで、人生を楽しみたい。  

これでいいよってことなんだ。  

 

ps.感銘を受けて、先日、ドライブ先でもずく150gを購入した。

他人にとって意味はなくても、自分の幸せが大事。