るりの創作部屋

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吉本ばなな『「違うこと」をしないこと』

吉本ばなな『「違うこと」をしないこと』

 

この本は、生き方に困っている人たちの大事な教科書。

家族や友人より信頼できる味方。

困ったときに、何度でも読み返そうと思う。

 

吉本ばなな初心者にも、最初に読んでほしい一冊だ。

彼女の信念、人柄や作品への解像度が上がるからだ。

 

 

 

「引き寄せ」挑戦で、お守りが欲しい時に

 

本来の自分を生きるには、

「違うこと」をしない。

自分の自然の流れに沿っていく。

流れに対して、サーフィンのように乗る。

 

そうやって選択していくことで、

武士道を極めるように、

欲しいものが手に入るようになる。

ラクなことばかりではないが、自ずと道は開いていく。



欲しいものを手に入れるための

「引き寄せ」の法則。

 

実践中に、

これまでの常識と反する

根深い課題に直面することがある。

 

突然会社をクビになったり。

病気やケガが原因で、

それまでのあり方を

振り返らないといけない時もある。

 

それでも力んではいけない。

流れが滞ってしまうからだ。

 

萎縮から脱出するキーワードは、

吉本ばなな作品で一貫する、「愛」だ。

 

(奥の方にある)層を開くには

愛と一緒じゃないと、

体は受け入れようとしないんです。

 

取り上げるときには

奇跡といってもいいくらい、

愛が生まれるのを感じます。

 

 

吉本ばなな作品では、

彼女の思想を文章化したような

愛に触れることができる。

 

愛や宇宙の前では

取り繕いが通用しない。

 

 

吉本ばなな作品の「愛」

 

みんな、愛というものを

勘違いしてるんじゃないかって。

 

特定の人物の特定のかたちの

愛情が注がれないと

自分は癒されないみたいな思い込みを

多くの人が持っているみたいだけど、

 

そうするとセンサーが

鈍くなっちゃって、

本当の愛に触れた時に

気付けなかったりする

 

愛って、感情や気持ちが先に来るものではなく、

柔軟なエネルギー。

 

親、先生、友達とか、

周りにいる人の善意や気遣いが

人間を蝕むこともある。

 

「良かれと思って」「あなたのため」という言葉に

縛られずに、自分で選択していけばいい。

 

愛と善意って似て非なるものですよね。

 

愛って、とても潔い感じがするけど、

 

気をつかわれたりして

優しくされるというのは、

感覚としてちょっと気持ち悪いものも

含まれている感じがするんです。

 

その気持ち悪いものを

受け入れ続けていると、

絶対に溜まっていく(中略)。

 

その、なあなあの状態そのものが

愛を蝕んでいくものだと思うので。

 

 

「自分のような人を癒したい」

吉本ばななの信念の核が

この一冊に刻まれている。

 

彼女の本は、どんな困難でも曇らない愛に包まれている。

 

『「違うこと」をしないこと』は、

自分の道を切り開く人に、たくさんのエールをくれる。

どの箇所に目を通してもホッとする。

 

何度も読み返して、

暖かい光を辿っていけば、大丈夫だ。

 

 

食べてグーと寝るQちゃんでいい

 

吉本ばななは、

10代の頃、ひたすら眠っていたという。

嫌なことがあると寝てしまう。




周りを調整しつつ

ちゃんとバランスをとりながら

自分を生きることの難しさや

そこから自己の中で生じる矛盾というのは、

今でもすごく感じています。

 

たぶんそのせいで、

私の初期設定には「オバケのQ太郎」の

Qちゃんが入っているんだと思う。

 

Qちゃんって、周りがいかに揉めていようと、

おやつを食べて寝るだけっていうか、

いっぱい食べて、グーとか寝ちゃったら

 

「もうしょうがないね」って

周りもなるじゃないですか。

子供の頃の私も、

それでしのいできたんじゃないかって。

 

人ってこりゃもう今すぐ寝るしかない

みたいな時もありますからね。

寝れば治るみたいなね。

 

 

「むしゃむしゃ食べて、グーグー寝る」。

この生き方は子供の頃の

「理想の生き方」を実現していたと気付く。

「自分を責めるほうが間違っていた」

 

元々の自分を取り戻すことを、

ゆるく確実に肯定してくれるエピソードだ。



楽に、流れるように、闇に負けない深い愛を。

「常識」があまりにも強力で

まだ迷う時はあるが、確実な光を見つけた。



一部しか紹介できなかったが、

人生の辞書や導きのような

『「違うこと」をしないこと』を、

ぜひ読んでみてほしい。